ロンドンにおけるネットゲーム環境
日本にいる間は2000年代のAge系から始まり、MMORPGやMORPG、PCだったりコンシューマだったり、様々なゲームをしておりました。当時あまり意識をしておりませんでしたが、ここロンドンにおけるネットゲームは様々な問題を抱えております。それら諸問題を紹介したいと思います。
1.言語
基本的に日本人としては日本語環境でゲームするのが一番ですが、英語圏におりますのでネットで購入するもの以外は当然英語になります。また、ネット経由での購入でもレジデンス(在住地)の問題があり、俗にいう「おま国」の対象とはならないものの、言語は英語化されたものになります。当然日本語対応タイトルであれば日本語化は容易で、各種プラットホームの言語を日本語にすれば解決します。(一部非対応と表示があるものであったとしても、有志が日本語化パッチを出しているものに関しては、それに対応した手順にて日本語化することになります。)
折角英語圏にいるんだから英語でゲームしなよ、と思われるかもしれませんが、英語でするゲームと母語である日本語でするゲームでは、ニュアンス含めかなり印象が変わります。実際経験したゲームの例として「The Elder Scrolls Online」において、英語の意味は直訳でなんとかわかり、ゲーム自体の進行にも多少の不便は感じながらもプレイはできました。しかし、日本語化してからのNPCキャラクターの個性が際立つ言い回し、感情のこもったセリフなど、脳の処理が言語理解で手いっぱいだったことが改めてわかりました。つまり、ある程度テキストのみで雰囲気や背景が楽しめるゲームにおいて、言語はゲームの印象をかなり変えるため、私個人としては自身が得意とする言語でのプレーをお勧めします。
2.レイテンシ
レイテンシとはなんぞや、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。日本語で表すと「潜伏時間」「反応時間」といった待ち時間のことを指します。これはゲームに限らず、デバイスが要求をしてからその結果が対応されるまでの時間のことを言います。コマンドプロンプトに詳しい方であれば「ping」といえばわかりやすいでしょう。(もっともレイテンシくらい知っているよ!と怒られそうですが…)
さて、ここで私の言うレイテンシとは、キーボードやマウスの反応、といったハードのことではなく、英国(ロンドン)と日本の地理的要因による遅延があることを指します。時差ではありません。
一昔前の国際電話や海外との生中継TVなんかは、こちらが発言した数秒後に相手が反応したり話したりすることがありました。これは如何に光通信が高速回線で電子デバイスの反応速度が上がったとしても、物理的に数μs単位でタイムラグが発生してしまいます。当然性能が良くなればなるほどタイムラグは抑えられますが、英国と日本を結ぶにはいくつかネットワーク経由地が必要となります。日本と韓国といったアジア圏内であれば、距離も短く経由地が少なくて済むため、英国との通信よりタイムラグが少なくなります。つまりこの距離が短いほど反応速度が速くなります。
ここで反応速度が遅いことがゲームには致命的になりかねないことがあります。ネットゲームでない場合、ゲーム機あるいはPC内で完結するため、通信におけるレイテンシは発生しません。しかし、ネットゲームではどこかにサーバーが立っており、そこへアクセスすることによりゲームの処理が行われます。
単純に攻撃をゲームコントローラーで押した場合
ネットゲームでない場合
コントローラー → ゲーム機 → 画面で攻撃モーション
ネットゲームの場合
コントローラー → ゲーム機 → ネットワーク → サーバー → ゲームサーバー内処理 → ネットワーク → ゲーム機 → 画面で攻撃モーション
と、プレイヤーが認識できるまでこれだけデータが経由されています。
ネットゲームの対戦では、このpingが反応速度としての目安になります。私がよく遊んでいる「Dead by Daylight」においては同国同士あるいは近隣国で30~60ms(ms:ミリセカンド:1,000分の1秒)程度、日本と英国間では250~300ms程度であったりします。(ゲームの説明は省きますが、知っている前提で話します。)これはゲームの特性としてキラーがサーバーホストとなり、サバイバー4人がキラーのゲーム機内へアクセスして遊ぶ、ということがあります。上記で説明すると、キラーはネットゲームでない場合の反応速度を出し、サバイバーはネットゲームの場合の反応速度となります。ここでネットの友人と同じゲームをしようとすると、キラーが日本の場合、友人サバイバーは60ms、私は300msという反応速度が5倍(単純に倍数で表すには難しいですが)必要となります。(キラーがEU圏内の場合は逆)共通サーバーの実装により、多少の改善はありましたが、依然として日本サーバーとEUサーバーでの反応速度には差があります。ゲーム内でチェイス(追いかけっこ)をする際、障害物を挟んで駆け引きがあるのですが、どちらが有利になるでしょう。明らかですね。実際YouTubeに動画をUPされている方は青Ping(~99ms)や黄Ping(100~249ms)が多いようです。(なお、私は友人と遊ぶときはほぼ赤Ping(250ms~)で、一人で遊ぶときは青Pingが多いです。)
同様に、日本サーバーのMMOやMOにアクセスする場合(リージョン許可がある場合)基本的に体感で0.5秒くらいラグが常に発生しています。そういった状況下でも楽しめるゲームを探す必要があります。
3.リージョンロック
最近は中国のチーターが多いとのことで、リージョンロックしろとかいう話もありますので大分馴染みがあるかと思います。リージョンとは、地方とか地域のことです。それをロック(アクセス制限)する、されることです。単純に言うと日本国外からのアクセスは許可しない、ということです。実際これによって日本のネットゲーム、モバイルゲームはほぼプレイできません。
また、リージョンロックも下記の2種類あるようです。
- 利用規約にて禁止している
- IP制限を設けている
利用規約にて禁止している場合は、実は海外からアクセスすることができたりします。この場合、即座に利用できないことはありませんが、いつ何時アカウント停止処分になるかはわかりません。当然利用規約内に明記されているわけなので、文句を言ったところで規約違反で返されるのがオチです。また、IP制限を設けている「だけ」であれば、VPNを使用して回避することは可能です。(回避したところで通常の地理的遅延に加えて串の分の遅延が上乗せされますが…)
実際に多くの日本のネットゲームでは利用規約にて禁止されていました。特にPCゲームのMMOで有名な「Final Fantasy XIV」では、EU圏内から日本サーバーへのアクセスが規約で禁止されており、EU圏内のサーバーで遊ぶよう勧められます。日本在住の時に遊んでいたアカウントも封印となりました(T-T)(かなり前からプレイしていなかったけど)
また、同じスクエアエニックスですが、「ドラゴンクエストXオンライン」はアカウント作成及びクライアントのダウンロード、インストールは日本国内で済ませておけば、接続は海外からVPNでも良いようです。ただし、VPNを通さない場合は普通に接続できません。(おそらくVPNでの接続は一時的な接続として黙認されているだけだと考えられます…)
以上、メジャーな3点を挙げましたが、他にも細々としたものは存在します。じゃあ実際遊べるゲームってなんだよ!という方に向けた具体例は別の記事にでもしようかと思います。
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